緑と過ごす、心地よい暮らしを紹介
部屋に緑があると心が癒され、インテリアのポイントにもなります。とはいえ「観葉植物などを飾りたい」「緑のある心地よい暮らしをしたい」と思っていても、植物の選び方や飾り方に迷ってなかなか最初の一歩が踏み出せない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、緑とともに暮らす2人の日常をSNSで発信するヒゲとわたしさんより、「緑のある暮らし」についてお話を伺いました。植物を選ぶ基準やコーディネートのコツ、使えるアイテムもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
緑を取り入れた自分らしい住まいで暮らす
ヒゲとわたしさんは、今お住まいの家に引っ越す際、「モンステラ」と「セローム」をヒゲさんの実家からプレゼントされたのをきっかけに植物を育て始めました。
その後、海外に住んでいた頃に姿形に興味を持っていた「コウモリラン」を、日本に帰国して初めて購入し育ててみたところ、成長する過程がおもしろく、植物にどっぷりのめり込んだのだそう。
「部屋のインテリアは好きなものを直感的に選んでいるので、いろいろな素材や色のモノがあります。植物はそれら違ったモノたち同士をうまく馴染ませてくれるので、各スペースに点在させています。」とその魅力を話します。
では、具体的にどのような点にこだわっているのでしょうか。
ご自宅のお気に入りスペースと緑を飾るポイントは?
2つのお気に入りスペースのインテリアを参考に、飾るポイントを教えていただきます。
お気に入りスペース①リビングルーム、本棚の上のスペース
リビングにある本棚の上には、植物に加えて、「蚤(のみ)の市」や山、海で見つけたものなどを自由に飾っているそうです。いろいろな素材やモノが置いてあり、見て楽しい空間になっています。
こだわりのポイントは、あえて大きめの植物を飾ること。ガラス瓶や小さなオブジェが多いので、そうすることで空間にメリハリをつくっているのだそうです。
「棚の上には狭いスペースに置ける小さなものを」と選んでしまいがちなところ、固定概念にとらわれない配置にセンスが光ります。
また、窓際は直射日光が当たる時間が長いため、植物の種類に合わせ適切な配置になるよう考えられています。
お気に入りスペース②ダイニングテーブル横の窓際
ダイニングテーブル横の窓際には、ガラス製品を中心に、遊び心のある雑貨などが置かれています。すりガラスの窓から柔らかい光が入り込み、気持ちの良いスペースです。
ご飯を食べる場所なので、土の入った鉢植えはあまり置かず、フラワーベースに花をいけたりエアープランツを置いています。
「さまざまな素材や色のインテリアを、緑が調和させてくれる」と話す、ヒゲとわたしさん。その言葉通り、ガラス製の小物やカラフルなポストカードなどが見事に調和し、部屋に馴染んでいます。
こうしたお気に入りのスペースがあると、自宅で過ごす時間がより豊かになりそうですね。
お家に迎える植物を選ぶには?
次は、植物を選ぶときのポイントを見ていきましょう。
ヒゲとわたしさんが大事にしている植物の選び方や、購入する場所を教えていただきました。
植物を選ぶ基準は「姿形」と「育てられるか」
まずは「姿形」です。姿形で選ぶポイントは、これまでさまざまな植物を育てる中で変化してきたそう。「植物にハマり始めたころは、葉っぱが多くて一鉢あるだけで部屋の雰囲気が変わるような、存在感のあるものに手が伸びていた」と話します。
ただ、葉物は育つのが早くて、数がたくさんあるとメンテナンスも大変。ご自分の生活スタイルにはあまり向いていないことに気づいたそうです。それからは、「飾る」ための選択基準よりも「育てる」ことに重きを置くようになった、ヒゲとわたしさん。
現在は、葉物なら小さな株から育てがいがありそうなもの、成長速度が比較的緩やかで不思議な姿形のものが多いサボテンや多肉、塊根系の植物を好んで選んでいると言います。
植物を選ぶ際は、「自分がきちんと管理できそうなものか」ということも検討してみるとよさそうです。
植物を購入する場所にこだわりはある?
観葉植物は、お花屋さんでもホームセンターでも、いいと思うものに出会ったときに購入しているそうです。ただ、サボテンや多肉、塊根植物は、生産者さんの販売所でチェックすることのほうが多いのだそう。
生産者さんや特定の植物を専門に扱っているお店の良いところは、めずらしい品種を実際に見て買えること。車がないとアクセスしにくい場所が多いそうですが、それでも「行く価値はある」と言います。
反対に、お花屋さんやホームセンターは身近にあり行きやすいのがメリット。気軽に植物をチェックしたいときに行くのだそうです。
植物選びでの失敗談…試行錯誤の果てに
「植物の容姿が好きで買っても、自宅の環境で育てるのが困難だったり、常に管理していないと枯れてしまう品種だったりで、いろいろな種類を試しては枯らしてを繰り返してきました」という、ヒゲとわたしさん。
過去のエピソードを聞いてみると、次のように教えてくれました。
「『多肉植物は乾燥気味に育てる』ということを聞き、放置しすぎて枯らしてしまったことがあります。サボテンは日当たりの良い場所が好きだからと日の当たる場所に置き続け、葉焼けさせてしまいました。シダ植物と呼ばれる種類でも常に湿った状態にしていないとすぐに葉が乾燥して枯れてしまうものは、やはり毎日管理はできず…。失敗したことはたくさんあります。今は自分が管理できそうな範囲のものがわかってきて、自分たちの暮らしに合ったものを選べるようになりましたね」
中でも「コウモリラン」のうちの店などでよく見かける品種は丈夫で、成長の仕方が独特なので育てるのが楽しいそう。「モンステラ」「フィロデンドロン」などサトイモ科の植物も丈夫。部屋に一鉢あるだけで雰囲気が変わるため、取り入れやすいと教えていただきました。
※丈夫= 水がなくなってもすぐには枯れない、水をあげると元気になる
すぐにできて素敵に見える、植物の飾り方
植物の飾り方は、床置きや棚置き、吊り下げなどさまざまあります。
次では、ヒゲとわたしさんおすすめの植物の飾り方、おしゃれに見えるコツをご紹介します。
植物を吊るして、立体感を出す
まずおすすめなのが、「吊るす」飾り方です。
背の高い家具がなく、大体のものが低い位置にあるというご自宅では、吊り系の植物を飾ることで高さのある場所にも目線がいくようにバランスをとっているそうです。
鉢植えなどは置いて飾りがちですが、壁や部屋の空間に吊るすことで部屋の中にリズムが生まれます。
しかし「鉢植え」を吊るすと、水やりなどのメンテナンスが少し大変なことも。写真のような「フラワーベース(花器)」なら、手軽なうえに、活けるお花次第で簡単に雰囲気を変えられます。
お子さまのいるご家庭であれば、ふいに鉢を倒してしまう心配もなくなり安心ですよ。
鉢やフラワーベースなど容器にこだわる
植物を育てるなら、鉢などの容器にもこだわりましょう。
「容器にこだわると、植物を育てたり飾ったりするのがもっと楽しくなる」と、ヒゲとわたしさんは話します。
さらに、「観葉植物を育てるうえでは、『根の状態』を良好に保つことが一番大切。見た目やデザイン性も重要ですが、根が呼吸しやすい素材のものを選ぶと根腐れするリスクが少なくなる」とも教えてくれました。
植物が呼吸しやすい「素焼き鉢」以外だと、火山岩のプランターポットは通気性がよく、見た目にもモダンでおしゃれなデザインなので、サボテンなどの多肉植物を飾るのにピッタリだそうです。
容器の素材と姿形×置き場所の相性をみて飾る
フラワーベースや鉢の素材・形によって、置き場所を変えてみましょう。
ヒゲとわたしさんいわく、「窓際に透過性のあるガラス素材のものを置けば、光を感じる空間作りができる」のだそう。
また、シンプルな形のフラワーベースは、どんな植物とも相性がよく取り入れやすいと話します。
ガラスのプランターでは、ハイドロカルチャー(人工的な土壌・ハイドロボールを使用する方法)を使って育てることも可能。土を使わないから虫も湧かず、室内の植物を育てるのに最適だと教えてくれました。
ガラス素材なので、窓際に置いてもそこまで重く見えないのが良いですね。
緑の取り入れ方に迷ったら上手な人の暮らしを参考に
itomani公式アンバサダーのヒゲとわたしさんより、緑のある暮らしについて伺いました。
実際のご自宅のインテリアから、こだわりの選び方、飾り方のコツまで、すぐ使えるポイントがあったのではないでしょうか。
「植物は配置を変えるだけでも、簡単にインテリアの模様替えをしたような気分になれる」とヒゲとわたしさんが言うように、花や緑で部屋の印象はぐっと変わります。
始め方に悩んだら、うまく取り入れている人の意見やインテリアを参考にしてみましょう。少しずつ置いてみて、お気に入りや生活に合うものを見つけてみてくださいね。
ヒゲとわたしさん
itomani公式アンバサダー
デザイナー夫婦。長年の海外生活を経て日本に帰国後、好きなモノと植物に囲まれたライフスタイルや旅行vlogなど、自分たちの日々の暮らしを多角的に切り取りYoutubeにて発信中。
Instagram:hige_and_me