日本人なら多くの方が親しみのあるお漬け物。栄養価の高さや、保存性も魅力です。
自宅でサッとつくれるレシピをマスターして、常備しておけば便利でしょう。
そこで今回は、簡単にできるお漬け物のレシピを紹介します。盛り付けのコツや器の選び方も紹介していますので、ぜひ気軽に始めてみてください。
お漬け物の魅力を再確認
発酵食品としても知られるお漬け物は、昔から日本の食卓で箸休めとして活躍してきました。もともとは食塩を使って野菜を長期的に保存できるようにしたのが始まりで、保存食として親しまれています。現在は減塩のものが主流となり要冷蔵のお漬け物が一般的ですが、冷蔵庫に入れておくと日持ちするので常備菜としても便利です。
野菜からつくられるお漬け物は食物繊維が豊富。また、乳酸菌を多く含むので腸内環境にも優しいと言われています。さらに、体内でナトリウムの排出を促し血圧上昇を抑える働きが期待できるカリウムを多く含んでおり、栄養価の高さも魅力です。健康のために、日頃から食事に取り入れていきたいですね。
今回レシピを教えてくれたchieさんは、「炊きたてのご飯と手づくりのお漬け物を食べるだけで、心や身体がホッと安らぐ。お漬け物をつくる時間も食べる時間も、生活をより豊かにするひと時になっているのがとても素敵ですね」とその魅力を語ります。
食卓に彩りを添え、豊かな時間を演出してくれるお漬け物。
次では、初心者さんでも簡単につくれる、きゅうりと新生姜のレシピを見ていきましょう。
きゅうりの漬け物
お漬け物にはさまざまな種類があります。
初心者の方は、簡単につくれる次のようなレシピから始めてみるとよいでしょう。
まずは、常備菜としてもおすすめな「きゅうりの漬け物」のレシピをご紹介します。
【必要な道具】
・丈夫なポリ袋
・バット
・重し(砂糖や塩、水の入ったペットボトルなどでも可)
・保存容器
【材料】
・きゅうり:3~4本
・塩:小さじ2
・生姜:適量
・白いりごま:適量
(A)
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ2
・酒:大さじ2
・酢:大さじ1
・昆布:小1枚
【手順】
①まず、材料の(A)を鍋に合わせておきます。
②きゅうりを洗って水気を拭き、1cm厚さの輪切りにします。
ポリ袋にきゅうりと塩を入れてなじませ、重しを乗せて3時間ほど冷蔵庫に入れます。
2枚のバットできゅうりをはさみ、きゅうりの重さの3倍程度の重しを乗せると効率よく馴染んでくれます。
③きゅうりの水分を絞ります。
▼POINT
きゅうりの水分をしっかり絞っておくと、カリカリの食感になります。きゅうりが割れないよう、手や布巾でやさしく包んで丁寧に絞るとよいでしょう。
④①の鍋を火にかけて沸騰させ、きゅうりを入れます。再び沸騰したら煮汁が行き渡るようによく混ぜながら約5分間煮ます。
⑤火からおろして昆布を取り出し、細いせん切りにした生姜を加えてよく混ぜます。
たまに混ぜながら冷まし、煮汁を捨てて保存容器に移します。白いりごまを加えたら、軽く混ぜて完成です。
冷蔵庫で保存すれば、3日ほど日持ちします。
▼使用した器と保存容器はこちら
新生姜の甘酢漬け
次に、新生姜の甘酢漬けをご紹介します。保存期間が長いので、冷蔵庫にあると便利なお漬け物です。みょうがやれんこんなど、別の野菜でアレンジできるのもうれしい。
【必要な道具】
・消毒用アルコール
・保存容器
【材料】
・新生姜:150g
・米酢:100ml
・砂糖:25g
・塩:小さじ½
・塩(塩もみ用):小さじ½
【手順】
(下準備)保存容器を煮沸またはアルコール消毒しておきます。
①まず、甘酢を作ります。米酢、砂糖、塩を小鍋に入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら火からおろしてください。
②新生姜をよく洗い、皮の汚れている部分だけ取りのぞきます。新生姜の赤い部分によって全体がピンク色に染まるので、なるべく切り落とさず残しましょう。繊維に沿って1mmの薄切りにします。
塩もみ用の塩を振りかけて軽くなじませ、5分間放置しましょう。
▼POINT
生姜によっては辛みが強いことがあります。なるべく薄く切り、軽く塩もみしてから茹でることで、辛い生姜でも比較的マイルドに仕上がるレシピになっています。
③たっぷりのお湯で塩がついたままの新生姜を1分間ほど茹で、ザルにあげて冷まします。
④よく冷ましたら新生姜を数回に分けてよく絞り、保存容器に入れてください。その上から①でつくった甘酢を注ぎ、箸でほぐしてなじませて完成です。
▼POINT
完成後は冷蔵庫に入れてください。1年ほど保存できますが、時間とともに色や風味は損なわれるので、早めに食べ切るとよいでしょう。
甘酢漬けは、新生姜以外の野菜でもつくれます。みょうがやれんこんがおすすめですが、その場合は3か月程度で食べきるようにしてください。
れんこんの場合、②で塩をまぶす必要はありません。代わりに、切ったらすぐ水にさらします。
▼使用した器と保存容器はこちら
保存容器の選び方で気を付けたいポイント
手づくりのお漬け物を冷蔵庫に保存する際には、保存容器にもこだわってみましょう。
保存容器は、傷や臭いが付きづらく、清潔に保てるものがおすすめ。
場所をとらないよう、同じメーカー、同じサイズの容器にすれば、重ねて収納できます。
新生姜やみょうがの甘酢漬けは長期保存できますが、そうすると冷蔵庫で何か月も場所をとってしまいます。長期保存したい場合は、小ぶりな容器にギュッと詰め込むと良いでしょう。
よく冷蔵庫に入れて使う保存容器は、大小の2サイズをもっていると便利です。
盛り付けにもこだわろう
盛り付けにも少し気を配ってみましょう。
お漬け物は、醤油で茶色く染まったきゅうりに、淡く繊細なピンクの新生姜など、落ち着いた色味のものが多く、合わせるのが難しい場合も。色や形など、それぞれの個性に気を配って盛り付けるのがポイントです。
次では、盛るときのコツやおすすめの器の選び方を紹介します。
盛り付けるときのコツ
お漬け物の盛り付けをきれいに見せるには、次の2つがポイントです。
・個性的な器に盛り付ける
・立体的に盛り付ける
見た目が少し地味なものも多いお漬け物は、個性的な器を使うと華やかに。また、器全体にベタっと広げるのではなく、小さな山をつくるように盛り付けると、立体的で洗練された印象になるのでおすすめです。
chieさんいわく、「きれいに盛り付けようとし過ぎず、あえてサラッと盛るのがポイント」なのだそうです。
お漬け物の個性に合わせた器選びを
お漬け物の種類に合わせて、器を選んでみましょう。
次ではchieさんに、おしゃれに見えるお漬け物と器の合わせ方を教えていただきました。
にんじん、紫キャベツなど色の良い洋風の漬け物に
寸胴のグラスには、鮮やかな色のキャロットラペを盛り付け。中身が見える透明なガラス食器なら、華やかな食材の色を引き立ててくれます。
細長いピクルスや汁気のあるものの場合は、平らなお皿よりも便利かもしれませんね。
▼使用した器はこちら
ぬか漬けの盛り合わせに
底は平らでしっかりとリムがあるデザインは、北欧食器なのに和の食卓にもなじみます。
数種類のお漬け物を盛り合わせるなら、底が平らなものがおすすめ。
和食器に混ぜて、よく使っているというchieさん。「『ぬか漬けはリネン』『塩だけの浅漬けはホワイト』と、色違いで購入して使い分けるのが小さなこだわり」なのだそうです。
▼使用した器はこちら
ピクルス、浅漬けなどを食卓に出す際に
コロンとかわいいWECKの瓶なら、1回で食べきれる量を小分けにできるのがポイント。
乗せるだけの蓋は使いやすく、食事中はテーブルの上に出しっぱなしにしてもOKです。
chieさんのご自宅で「ガラスの器」として活躍しているこちらの瓶ですが、パッキンを取り付けて密閉すれば、保存容器としても使えるのだそうです。
▼使用した器はこちら
食卓に手作りのお漬け物を添え、充実した食事時間を
今回は、おすすめのお漬け物レシピと、盛り付けのコツをご紹介しました。
こだわりの器と合わせて、普段の食卓に1品加えてみてはいかがでしょうか。
食材を変えてつくってみたり、合わせる料理を変えてみたり…楽しみ方は無限大。
慣れてきたら、本格的なぬか漬けなどに挑戦してみても良いでしょう。
ぜひ日々の手仕事に、「お漬け物」という選択肢をくわえてみてください。
chieさん
夫、息子とともに鳥取でのんびり暮らしています。
美しい旬の食材を眺めながら料理するのが生きがいです。
野菜の色や断面に見とれているうちに日が暮れることも…。
毎日のご飯は家族の身体に合う和食が多めです。
漬け物に干し野菜に、突如思いついた名もなき料理。
片っ端からあれこれやってみて、心からおいしいと思えるレシピをつくっています。
Instagram:chie__ie