ホーロー(琺瑯/ほうろう)とは?
キッチンにあると便利な、ホーロー製品。機能性に加えてレトロな雰囲気も人気で、多くの人に愛用され続けていますが、その特徴を知らない方も多いのではないでしょうか。
ホーローは鉄やアルミなどの金属の表面に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を吹き付けてつくられた素材です。金属とガラスの良さをあわせもち、見た目の美しさに加えて、その用途の幅広さで人気があります。
今回は、そんなホーロー製品のメリット・デメリット、選び方、長く使うためのお手入れ方法などを詳しく解説していきます。ホーローの保存容器・鍋・ケトルなど、itomaniで取り扱うおすすめ商品も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ホーロー製品のメリット
見た目の良さや実用性の高さなど、さまざまな特徴のあるホーロー素材。プラスチック製品やガラス製品との違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは、ホーロー製品の6つのメリットについて解説していきます。
耐熱性
鉄を加工してつくられるホーロー製品は、耐熱性に優れており、直火やオーブンでの調理ができます。ホーローは熱伝導が良く、鍋やケトルの素材としても人気です。空炊きはできないため、必ず水分が必要な点には注意しましょう。
耐熱性のあるホーローのオーブンディッシュなら、料理の下ごしらえからオーブンでの調理、食卓に出すまで一皿で完結。時短にも役立ちそうですね。
また近年、揚げ物に対応できるホーロー鍋も注目を集めています。
保温性・冷却性
ホーローの容器は、保温性にも優れています。グラタンなどのオーブン料理は、調理後もしばらくは温かいまま。ホーロー鍋で調理したシチューなどの料理は、温かい状態で鍋ごと食卓に並べるのもおすすめです。
また、冷却性も高く、プラスチック製やガラス製の容器より効率的に短い時間で冷やせます。冷蔵・冷凍保存も可能なので、ゼリーやアイスなどをつくり、そのまま保存容器として使うことも可能です。
耐久性
酸や塩分に強く、耐久性があるのも特徴の一つ。食材の質や風味を変化させにくいため、長期保存にも向いています。
プラスチック容器やステンレス容器と比べ、雑菌が繁殖したり錆びたりしにくく、味噌・漬物などの発酵食材、酢漬けやマリネなどのお酢を使った食材の保存にも最適です。
洗いやすく臭いがつきにくい
ホーローは表面がガラス質で、洗うのも簡単で食材の臭いが付きにくい素材です。非吸着性(汚れや臭いのつきにくさ)が高く、スルッと汚れを落とせてお手入れがしやすく、清潔に保てるのはうれしいポイントですね。
プラスチック容器のように、食材の臭い移りや色移りが気になることも少ないでしょう。カレーやキムチなど、色の濃い食材・臭いのある食材の保存にもよいですね。
美しい色合い
お皿代わりに食卓に出しても見栄えのする、スタイリッシュな見た目も魅力。表面のガラス質に着色ができるので、好みの色やデザインを集めて楽しめるのもメリットです。
安全性
鉄とガラスの特長をあわせもつホーローは、鉄の丈夫さとガラスの耐食性(腐食しにくさ)や非吸着性で注目されており、安全性の高い素材と言えます。
ホーロー製品のデメリット
メリットの多いホーロー製品ですが、一方で使用する際に気を付けたいデメリットもあります。正しく使用するために、やってはいけないことをチェックしておきましょう。
衝撃・落下に弱い
ホーロー製品は表面がガラス質なので、ぶつけたり落としたりするとガラス質がひび割れしてしまう場合があります。また、急激な温度変化もひび割れの原因になるので、調理後に洗う場合は、ある程度熱を冷ましてからがおすすめです。
ひびや傷が入るとそこから割れが広がりサビが発生する可能性もあります。衝撃・落下・温度変化に気を付けて取り扱いましょう。
金属の調理器具と相性が悪い
ホーロー製品で調理をする場合、金属性のフライ返しなど相性が悪い調理器具に注意が必要です。使用する器具によっては、ホーロー製品の表面を傷つけたり表面に跡が残ったりしてしまいます。
表面の傷が劣化の原因にもなりうるので、ホーロー製品で調理をする際は木製やシリコン製の調理器具を使うのが望ましいです。
電子レンジは使えない
ホーロー製品は全て、電子レンジでは使用できません。ホーローは内側が鉄で成形されているので、電子レンジの電磁波を反射してしまい、中身が温まらないためです。
また、ホーロー製品を電子レンジで温めようとすると、電子レンジの故障の原因となるだけでなく、発火する場合もあるので、決して使用しないようにしましょう。
ホーロー製品の選び方と注意点
ホーロー製品には、保存容器・調理器具として使用できるものがあります。ここでは、それぞれのホーロー製品について、選び方や選ぶ際の注意点を解説していきます。
保存容器(ストッカー)
ホーローの保存容器を選ぶ際は、容器の形状・フタの種類・デザインなどをチェックしましょう。保存する食材や用途に合ったものを選ぶのがポイントです。
形状
ホーローの保存容器には、さまざまな形状があります。それぞれの形におすすめの用途をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
容器の形 | おすすめの使い方 |
---|---|
バット型 | 浅いバット型の容器は、料理の下ごしらえ用やオーブン調理用に便利です。下味を付けた肉や魚の保存・揚げ物の衣付け・お菓子づくりなどに活用できます。 |
長方形型 | 深さのある長方形型の容器は、常備菜の保存に向いています。容器に入れたまま火にかけて温めることもできるので、カレーやシチューなどの残りを冷凍・冷蔵保存しておくのにも便利です。お弁当箱として活用するのもよいですね。 |
スクエア型 | 真四角のスクエア型の容器なら、ねぎやしょうがなど香味野菜の保存・漬物の保存などに便利です。サイズや大きさを揃えるとスタッキング※ができるので、冷蔵庫内でもかさばらず重宝します。 ※スタッキング…重ねてコンパクトに収納すること |
持ち手付き | 持ち手付きの容器は、煮物や汁物など汁気の多い物を保存しておくのに適しています。火にかけて温めるときにも、持ち手があると便利です。さっと持って出せるので、塩・砂糖などを入れておくのもよいですね。 |
ラウンド型 | ラウンド型の容器は、デザイン性が高く、容器のまま食卓に出したいときにも重宝します。角がないので洗いやすい型です。 |
フタの種類
ホーロー容器を選ぶ際には、フタの種類も重要です。
主には下記の4種類があるので、機能性や見た目に着目して選びましょう。
・ホーロー蓋
・シール蓋
・木蓋
・密閉蓋 など
容器と同じ素材のホーロー蓋は、臭い移りや色移りがなく衛生的に使えます。プラスチック製のシール蓋は、比較的リーズナブルで上から中身が見えるのがポイントです。
見た目重視の方は、ナチュラルな印象の木蓋をチェック。密閉性を重視する方は、シリコンつまみを押し込むと密閉性が高まる密閉蓋を選ぶとよいでしょう。
デザイン
ホーロー容器には、さまざまなデザインのものがあります。定番の白で揃えるのも統一感がありますが、自分好みの色や柄付きのものを選べるのも魅力ですね。
食卓に出して使う際には、テーブルコーディネートに合うものを選ぶと気分も上がります。
食洗機で洗えるか
ホーロー製品は、食洗機で洗えるものもあります。対応可否を確認しておきましょう。
ただし、食洗機に入れるとほかの食器とぶつかって割れたり欠けたりしてしまう可能性もあるため、なるべく単体で洗うか、手洗いが望ましいです。
ホーロー鍋
ホーロー鍋を選ぶ際は、鍋の形状・重さ・機能性をチェック。料理に合わせて、使いやすいものを選びましょう。
形状
ホーロー鍋には、ミルクパン型※の片手鍋とラウンド型の両手鍋があります。ミルクパンとは、ミルクなどを温めるのに適した小ぶりの片手鍋を指します。
以下のように、用途に合わせて形状や大きさを決めるのがおすすめです。
用途 | 形状 | おすすめのサイズ |
---|---|---|
ソースづくり 離乳食づくり |
片手鍋 (ミルクパン型) |
12~15cm程の小さめサイズ |
煮込み料理 オーブン料理 |
両手鍋 (ラウンド型) |
1~2人分なら16~18cm程度 3~5人分なら20cm以上 |
材質
ホーロー鍋を選ぶ際には、鍋の材質にも注目しましょう。ホーローには、下記の2つの材質のものがあり、鍋の重さや向いている料理が異なります。
・鋳物製
・銅板製
重い鋳物鍋は、じっくりと火を通すのが特徴。蓄熱性や保温性が高く料理が冷めにくいのもポイントです。煮込み料理や食材の旨味を凝縮したスープ料理などに適しています。
軽い銅板鍋は、熱伝導が早く、扱いやすいとされています。比較的リーズナブルな価格で販売されているので、普段使い用にも◎。素早く茹でたい食材の下ごしらえや、毎日のお味噌汁づくりなどに役立ちます。
IH対応しているか
ホーロー鍋には、IHクッキングヒーターに対応していないものがあります。前述の食洗機対応とあわせて、対応熱源(ガスコンロやIHなど)やその詳細をチェックしましょう。
ホーロー製品の洗い方・メンテナンス
さまざまな用途に使えて便利な、ホーロー製品。せっかく購入するなら、長く使いたいですよね。ここでは、ホーロー製品を長持ちさせるための洗い方やメンテナンス方法をご紹介していきます。
冷めてから洗う
ホーロー製品の表面のガラス質は、急激な温度変化に弱い素材です。熱い状態のホーローは、水がかかるなどの急な温度変化によってひび割れてしまう可能性があります。
直火で温めたりオーブン調理をしたりする場合は、調理後すぐに洗うのではなく、時間をおいてある程度冷めるまで待ってから洗うようにしましょう。急激な温度変化によるひび割れを防ぎ、ホーロー製品を長く使うことができます。
スポンジと中性洗剤で洗う
ホーロー製品の普段のお手入れは、傷の付きにくいスポンジと食器用洗剤(中性洗剤)を使って洗いましょう。本来、ホーローは表面がガラス質なので汚れが付きにくく、汚れても落としやすい材質です。
金属製のたわしや研磨剤を含むクレンザーなどは、ガラス質を傷付けてしまうので使用しないようにしてください。アルカリ性洗剤や塩素系漂白剤などは、ホーローのツヤを損ない劣化を早める原因になります。
焦げ付きはお湯か重曹で落とす
ホーロー鍋を焦がしてしまった場合には、お湯を使ったお手入れがおすすめです。金属製のたわしなどで強くこすると、鍋の表面が傷ついてしまいます。
焦げ付きはお湯でふやかしてから、木製のへらなどで落としましょう。
それでも取れない場合は、重曹を使います。焦がした鍋に重曹と水を入れ、火にかけて沸騰させてください。冷めるまで置いてからスポンジで洗うと焦げを落とせます。
洗った後は拭き取る
ホーロー製品を長く使うためには、洗い終わった後に水分をしっかり拭き取るのも重要です。水気が残ったままでは鉄部分が錆びる可能性があり、劣化を早める原因に。
使用後は洗ってからよく乾燥させるのが、ホーロー製品を長持ちさせるコツです。
おすすめホーロー製品のご紹介
ここからは、itomaniで購入できるおすすめのホーロー製品をご紹介します。保存容器・鍋・ケトルなど、ぜひあなたのお気に入りを見つけてくださいね。
保存容器(ストッカー)
「【野田琺瑯】ラウンドストッカー 21cm」は、どこか懐かしさのあるシルエット。シンプルかつ実用的なデザインで人気があります。
使い勝手の良い大振りサイズで、お米の保存や漬物の保存に適しており、お米なら5kg、梅干しなら2~3kg、らっきょうなら4kgが入る大きさです。シール蓋とホーロー蓋の二重蓋になっているので、湿気や乾燥を防いでくれます。
お味噌汁やだし汁などの保存には、「【野田琺瑯】スクウェア 琺瑯蓋付 L」がおすすめ。そのまま火にかけて使えるので、汁物を温めるときにも重宝します。
スクエア型にはホーロー蓋が付いているので、色移りや臭い移りを気にせず使えるのもポイントです。スタッキングできる形状なので、棚や冷蔵庫内にすっきりと収納できるのも良いですね。
毎日朝食にパンを食べる方には、「【富士ホーロー】バターケース 200g用」がおすすめ。市販の角型バター200gがぴったりと収まるホーロー容器です。
中身が酸化しにくいシリコン製の密閉蓋付きで、酸化しやすいバターも新鮮に保てます。バター以外の食材の保存にも使えるので、ぜひチェックしてみてください。
ソースパン・ミルクパン
毎日気軽に使える小ぶりなサイズ感の片手鍋は、野菜の下ごしらえやスープ、離乳食づくりなどにも便利です。
「【日々道具】ソースパン14cm(蓋付き)」は、ジャパンメイドにこだわってつくられており、丁寧に暮らす毎日にあたたかみのあるデザインが映えます。
清潔感のある白でシンプルながら、適度な深さが毎日の料理に重宝する実用的な大きさです。取っ手に穴があいているので、引っ掛けて収納できるのも嬉しいですね。
「【富士ホーロー】バイカラーミルクパン14cm」は、優しい2種のカラーリングが特徴。itomaniのオリジナルカラーです。かわいいフォルムで、キッチンに置いてあるだけでも、毎日の料理時間がより楽しくなること間違いなしですね。
オーブンディッシュ
お皿や保存容器として使えるのはもちろん、直火調理やオーブン調理もできて調理器具としても重宝するオーブンディッシュは、キッチンにあると便利な一皿です。
「【365methods】ホーローオーブンディッシュ レクタングル」は、ホーロー素材の熱伝導率の高さを活かして、グラタンなどのオーブン調理から、ゼリーなどのスイーツづくりまでさまざまな用途に活躍します。
2〜3人分の料理や、蓋をして保存容器としても使える優れものです。オーブンや冷蔵庫から出してそのまま食卓にサービングできる、デザイン性の高さも魅力。蓋をするとスタッキングできるので、色違いで揃えるのもおすすめですよ。
そのほか、サイズ違いの「【365methods】ホーローオーブンディッシュ 浅型S」「【365methods】ホーローオーブンディッシュ 浅型M」もチェックしてみてください。
ケトル
「【野田琺瑯】 アムケトル 2L」は、どこか懐かしいフォルムと、どっしりとした安定感が特徴のホーローケトル。ホワイト・レッド・グリーン・ブルー・ブラックのカラーバリエーションで、どれも深みのある色合いが魅力です。キッチンに出しっぱなしにしていても、インテリアのように見せられる美しさに、思わず心をくすぐられます。
容量2Lのケトルは安定感があり、たっぷり沸かせるので使い勝手は抜群。ハンドルを倒してコンパクトに収納もできるので、機能性も◎です。入れ口が広いので給水しやすく、手を入れて内側まで洗いやすいのもポイントです。
ホーローは適切なお手入れで長く愛用できる
今回は、ホーロー製品についてご紹介しました。
ホーロー製品を選ぶ際は、メリット・デメリットやお手入れ方法などを理解したうえで、用途に合わせて選ぶのがおすすめです。
ホーロー製品は見た目の良さや実用性の高さだけでなく、正しいメンテナンスを行えば長く使えるのも人気の理由。ぜひお気に入りのホーロー製品を見つけて、長く愛用してくださいね。
▼おすすめ特集
▼あわせて読みたいおすすめコラム